外来種ってなんだろう?
更新日:2021年10月4日
◆外来種とは
「本来生息していなかった場所へ人間によって運ばれ、人間の管理下にない生きもの」のことを外来種といいます。
運ばれ方は意図的か(人間が運んで放流)、意図的でないか(海外からの荷物にくっついて移動)を問いません。生きものが元々持っている移動能力を超え、人間の力で運ばれたものを指すことばです。
国外だけでなく、国内の別の地域から持ち込まれた生きものも外来種です(『国内外来種』と呼ばれます)。
なお、ネコやヤギなどは、室内や牧場など人間の飼育下にいれば外来種ではありませんが、野生化してしまうと小さな生きものや草などを食べてしまう外来種として扱われます。
私たちの生活に身近な外来種としては、シロツメクサ、セイヨウタンポポ、アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)などがいます。
◇外来種の影響と予防3原則
外来種の中でも、元々いた生きものたち(在来生態系)を食べてしまったり、人に害を与えたり、農林水産物を食べてしまったり……と大きな悪影響をもたらすものを、特に 「侵略的外来種」と呼びます。
こうした外来種の影響を予防するために、外来種を
- 入れない
- 捨てない
- 拡げない
の予防3原則を守ることがとても重要です。
【参考】環境省-日本の外来種対策>外来種問題を考える 侵略的な外来種
◆外来生物法と特定外来生物について
侵略的外来種による生態系への影響のほか、農林水産業に影響を与える種、人間に危険をおよぼす種などによる被害を防止するため、「外来生物法:特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」が制定されています。
この法律では、外来種を「外来生物:海外から(明治以降に)持ち込まれた生きもの」と定義しています。特に影響が大きい「特定外来生物」を定め、飼育や栽培、生きたままの移動、放流などを禁じています。違反した場合、最高で懲役3年・罰金300万円(個人)もしくは1億円(法人)が科される場合があります。
【参考】環境省-日本の外来種対策>外来生物法 どんな法律なの?
【参考資料】環境省パンフレット-外国からやってきた生きものたち
◇特定外来生物の取り扱い やってもいいこと・やってはいけないこと
○:網でざっこしめをしていたらウシガエルがとれたので、帰る前に捕まえた場所に放した
(捕まえた場所・元の生息環境に戻すのは可)
○:道端のオオキンケイギクの花を摘み、家で一輪挿しに活けた
(繁殖・増殖能力のない部分の移動は可。植物の場合、根や種を持ち帰ってはいけません)
○:ブラックバスが釣れたので、その場でしめて持って帰り、バター焼きにして食べた
(死んだ状態での移動は可)
×:捕まえたウシガエルを持って帰って飼った
(生きたままの移動、飼育は禁じられています)
×:花がきれいなので道端のオオキンケイギクを掘りとり、庭に植えた
(生きたままの移動、栽培は禁じられています)
×:ため池でブラックバスが釣れたので、バケツに入れて、別の川に放した
(生きたままの移動、放流は禁じられています)
◇外来種について、もっと知りたい方へ
コラム:五箇さんに聞く!「“外来種”は悪者?」-“外来種問題”から学ぶ、自然との向き合い方-
◆鶴岡市や庄内地域の特定外来生物
特定外来生物のうち、本市域及び周辺で確認されている種を紹介します。
ここで挙げられている種を、捕まえて生きたまま他の場所に移動させたり、飼ったり育てたりするのは絶対にやめましょう。
アライグマ
(環境省パンフレットより写真引用)
市内及び庄内地域で、交通事故死個体や痕跡の確認があります。
他地域では農作物被害のほか、ハクビシンのように住居に侵入する、水生生物を捕食する等の被害が報告されています。
【参考資料】環境省九州地方環境事務所パンフレット-アライグマ
ウシガエル
市内のため池や湿地等に広く分布しています。
水生昆虫など、様々な種類の生きものを捕食してしまいます。
鶴岡市自然学習交流館「ほとりあ」では、周辺の都沢湿地でウシガエルとアメリカザリガニの駆除を行っています。有効活用のため、市内飲食店へ駆除個体を提供しており、夏から秋にかけてウシガエルを使った料理を楽しむことができます。
【参考資料】環境省【参考資料】環境省九州地方環境事務所-ウシガエル
ほとりあブログ(イベント情報)-外来生物活用プロジェクト2020 提供店舗の募集
オオクチバス・コクチバス(ブラックバス)及びブルーギル
市内のため池等でオオクチバスの生息が確認されています。また近縁種であり、同じく特定外来生物の指定種であるコクチバスが最上川で確認されているため、支流である藤島川や京田川にも侵入している可能性があります。
特定外来生物を捕獲した場所で放すことは違法とはなりませんが、ブラックバス等の外来魚(オオクチバス・コクチバス・ブルーギル)は山形県により再放流(リリース)が禁止されています。釣った場合はその場でしめ、持ち帰って食べるか生ごみとして処理するようにしてください。生きたまま移動させたり、放流したりしてはいけません。
【参考資料】環境省【参考資料】環境省中国四国地方環境事務所-オオクチバス
オオキンケイギク
市内(温海・羽黒・大山地区等)、大きな道路の脇や休耕田等での生育が確認されています。6月頃にきれいな花を咲かせるため、特定外来生物と知らず庭で育てられていることもあるようです。
【参考資料】環境省中部地方環境事務所-チラシ「オオキンケイギクの駆除にご協力ください」
オオハンゴンソウ
(画像は環境省パンフレットより引用)
市内各所で生育が確認されています。
【参考資料】環境省北海道地方環境事務所-パンフレット「植えないで!増やさないで!特定外来生物オオハンゴンソウ」
アレチウリ
(画像は山形県HPより引用)
市内各所、河川沿いや海岸部で分布が確認されています。
◆外来種 Q&A
Q1:特定外来生物を勝手につかまえて(駆除して)いいの?
→アライグマを除き、捕獲や引き抜きによる駆除をすすめていただいて問題ありません。
これら特定外来生物は積極的な駆除及び防除を国が進めている種ですが、アライグマは哺乳類であり捕獲に許可等が必要となります。
自治会等で外来植物の駆除を行う場合、拡散を防ぐため、種ができる前で株を見つけやすい花の時期に行うのがよいでしょう。根ごと引き抜き、乾燥させてから燃やすごみとして指定の袋に入れて出してください。
Q2:庭に生えている/植えているけれど、法律違反になるの?
→庭や敷地に生えているだけでは違法とはなりません。また、生えている/生息していることを放置しても違法ではありません。
ただし、特定外来生物は栽培が禁止されている種ですので、オオキンケイギクとわかったうえで「花がきれいだから」と庭で育てるのはやめましょう。現在育てている場合はこれ以上広まらないよう、根ごと引き抜き、燃やすごみとして処分してください。
Q3:既に生態系に入り込んでしまった外来生物は完全に撲滅できないのだから、駆除は無駄なのでは?
→よほど閉ざされた環境でない限り、一度入り込んでしまった外来種を完全に取り除くことは非常に困難とされています。
しかし、特に他の種を食べるような外来種の場合、捕獲によって数を減らすことで在来生態系への影響を少なくすることが可能であり、無駄にはなりません。
※写真及び図の引用元・提供
- ミシシッピアカミミガメ:環境省チラシ「大きくなってもいっしょにいるよ」
https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/akamimigame.pdf(外部サイト)
- 図:外来種被害予防3原則:環境省パンフレット「外来生物法」
http://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/01_gairai_ippan_r.pdf(外部サイト)
- 図:外来生物法で規制される事項:環境省パンフレット「外国からやってきた生きものたち」
https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_gaikokukara.pdf(外部サイト)
- アライグマ:環境省パンフレット「行政 担当者のためのアライグマ防除体制構築の手引き」
https://www.env.go.jp/nature/intro/3control/files/racoon_chushi.pdf(外部サイト)
- オオハンゴンソウ:環境省北海道地方環境事務所パンフレット「植えないで!増やさないで!特定外来生物オオハンゴンソウ」
https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_ohangoso.pdf(外部サイト)
- アレチウリ:山形県HP「外来生物とは」
https://www.pref.yamagata.jp/ou/kankyoenergy/050011/sizenkankyo/gairaiseibutu/gairaiseibututoha.html(外部サイト)
- アメリカザリガニ・ウシガエル・オオクチバス:庄内自然博物園構想推進協議会/鶴岡市自然学習交流館「ほとりあ」
- オオキンケイギク:鶴岡市環境課
お問合わせ
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鶴岡市役所 環境課
〒997-8601 山形県鶴岡市馬場町9番25号
電話:0235-35-1247
FAX:0235-22-2868
