鶴岡市の「笹巻」が文化庁の「100年フード」に認定されました
更新日:2023年3月3日
鶴岡市の「笹巻」が文化庁の「100年フード」に認定されました。
【「100年フード」とは】
「100年フード」は、我が国の多様な食文化の継承・振興への機運を醸成するため、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を、文化庁が認定しているものです。
「100年フード」の詳細については、「100年フード」公式ウェブサイト(外部サイト)をご覧ください。
100年フード認定証
【笹巻とは】
笹巻(こぶし巻き)
「笹巻」は、もち米を笹の葉に包んで煮て作られる粽の一種です。中でも、鶴岡市で作られる笹巻は、水に木灰を加えて煮た上澄み液である「灰汁(あく)」に、もち米を浸漬してから煮て作られることが特徴です。強アルカリ性を示す灰汁のはたらきにより、黄色くゼリー状の、独特な風味を持つ笹巻ができあがります。また、灰汁を使わず白色にできあがる笹巻よりも日持ちするようになります。笹巻の作り手の間では、「笹巻の良し悪しは灰汁しだい」と言われ、笹巻文化における灰汁の存在感を示しています。
笹巻の巻き材には、一般的にはチマキザサの葉を茹でてから使用します。一年を通じて笹巻を作る人は、採取した笹の葉を乾燥や冷凍などの方法で保存し、適時、湯で戻してから使用します。笹の巻いた形は、厚みのない正三角形の「三角巻き」や、正四面体に近い「こぶし巻き」などバラエティに富み、地域に応じて一定の傾向が見られるほか、「七つ祝いのたけのこ巻き」のように、特定の通過儀礼や年中行事の時にのみ作られる形もあります。伝統的には、携行食として食べられたり、端午の節句の振る舞いやお土産として食べられたりしてきました。今では季節を問わず産直施設等に並ぶなど、地域の人々に愛され、深く根を下ろした食文化であると言えます。
笹巻の起源については、北前船により持ち込まれたという説や役行者が伝えたという説、加藤忠広公の配流を通じて伝わったという説があるものの、いずれも、裏付ける証拠はありません。天明8(1788)年に庄内地方で起きた災害・飢饉を記録した『悪作付書記』(鶴岡市郷土資料館保存)に、「粽をにる如くの灰汁をこしらい……」という記述があることから、灰汁を用いて作られる粽が既に存在していたことがわかります。これが現在伝わる笹巻につながるものだとすれば、230年以上の歴史を持っていると考えられます。
笹巻をはじめとする「つるおか伝統菓子」については、鶴岡食文化創造都市推進協議会ウェブサイト(外部サイト)でも紹介しています。
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